2020-01-01から1年間の記事一覧

カレンブーケドール

「花言葉」は18世紀前半、トルコ駐在の英国大使夫人メアリー・ウォートリー・モンタギューが英国にもたらした。彼女はbouquet(花束)というフランス語も紹介、花束のプレゼントが流行した――。有馬記念カレンブーケドール(牝4=国枝)にちなんでそんなトリ…

レッドベルオーブ

中京芝マイルの未勝利1分33秒1、阪神のデイリー杯2歳S1分32秒4。連続レコードVの離れ業を演じたレッドベルオーブ(牡2=藤原英)が朝日杯FSに出走。未来は有望だ。 母レッドファンタジアの子どもは初子の長女レッドベルローズから、全て冠名レッド…

ホットキングプローン

香港スプリントで注目は前哨戦のGⅡを制したホットキングプローン(騸6=サイズ)。香港表記「旺蝦王」。旺は「盛んな様子」。懐かしき安田記念馬フェアリーキングプローン(靚蝦王)と同馬主。冠名は馬主の好物(エビ)から。香港マイルは18~19年に無双し…

アナザートゥルース

”There is always only one truth.” 見た目は子供、頭脳は大人な名探偵の決めぜりふ「真実はいつもひとつ」の英語。これは事件に関してのことで、例えば競馬予想には各人の真実がある。チャンピオンズC出走のアナザートゥルース(セン6=高木)は父アイル…

インディチャンプ

マイルCS出走の母ウィルパワー兄妹の馬名が好きだ。妹アウィルアウェイは母名+父ジャスタウェイの名で「意志あれば道あり」という金言。兄インディチャンプは文字通り「インディカー・シリーズのチャンピオン」で、14年の年間王者が母と同じ名のウィル・…

センテリュオ

牝馬だてらにオールカマーを制したセンテリュオ(牝5=高野)がエリザベス女王杯に出走。昨年4着からの躍進を期している。 Centelleoはスペイン語で「きらめき、(星の)またたき、火花」で母アドマイヤ「キラメキ」の名をスペイン語訳したもの。語源はラ…

サルビア

ファンタジーSに新馬、りんどう賞と連勝中のサルビア(牝2=鈴木孝)が出走する。Salviaは花の名前でシソ科アキギリ属、初夏から晩秋まで長く咲き、緋色(ひいろ)の花が群れ咲くサルビア・スプレンデンスは街路花にも使われる。ピンク、紫、白、青、その…

ダノンプレミアム

昨年の天皇賞(秋)では勝ち馬アーモンドアイから3馬身差2着。ダノンプレミアム(牡5=中内田)の逆襲はあるか。 Premium(英語)は形容詞で「品質の高い、ハイクオリティーの」、名詞だと「賞品、褒章(金)」の意味。語源的にはラテン語praemiumで、語…

ヴェルトライゼンデ

菊花賞には質実剛健なドイツが似合う。01年菊花賞馬マンハッタンカフェは5代母シュヴァルツゴルトで伝統のドイツS牝系。昨年のワールドプレミアは5代母マリアポリスが英国からドイツに渡った新興ながら、母マンデラは独オークス3着で配合もドイツ感満載…

クラヴェル

クラヴェル(牝3=安田翔)は秋華賞で「6分の4」の抽選対象となっている。曽祖母がアルゼンチンの名牝ポトリザリスで、この牝系の馬名はアルゼンチン由来が多い。祖母がディアデラノビア(恋人の日)、母がディアドラマドレ(母の日)、そしてClavelはス…

バラックパリンカ

凱旋門賞でアイルランド生産フランス調教ドイツ血統のインスウープが2着に好走。同距離の京都大賞典に父アイルランド産、自身は日本産日本調教で実はドイツ色が強い配合(ノヴェリスト×シュヴァルツゴルト牝系)のバラックパリンカ(牡4=平田)が出走。 B…

アウィルアウェイ

新首相がスプリンターズSのサイン? 9月16日、第99代内閣総理大臣に就任した菅義偉首相の座右の銘は、96年の衆議院議員初当選時から「意志あれば道あり」。この格言はWhere There's A Will, There's A Way.の意訳。この中にアウィルアウェイ(父ジャスタ…

メイショウボサツ

神戸新聞杯には無敗の2冠馬コントレイルが出走する。焦点はその相手で、ローズSがヒントだ。14番人気2着ムジカは父エピファネイア。同産駒は中京芝【9・7・3・24】で同2200m3戦2勝。試行数は少ないが、べらぼうに相性がいい。そう、エピファネイア産駒…

ガロアクリーク

セントライト記念に皐月賞3着ガロアクリーク(牡3=上原)が出走する。 Galore Creekはカナダのブリティッシュコロンビア州にある世界最大級の金銀銅鉱山。逐語だとガロアは「豊富な」、クリークは「小川」で、有望な金鉱山らしい地名。この馬は「金」ラ…

トロワゼトワル

昨年の京成杯AHで1分30秒3の日本レコードVを決めたトロワゼトワル(牝5=安田隆)が今年も登場。馬名的には母母父アルファベットスープからの料理つながり。その子がエービーヌードル(A B Noodle)、その娘がセコンドピアット(イタリア語で「二皿…

ウイングリュック、ウインルーア

札幌2歳Sは冠名ウインの牡・牝2頭に注目。ウイングリュック(牡=宮)は函館最終週に逃げ圧勝。Glückはドイツ語で「幸運」。英語Luckと同語源。母コスモフォーチュンのFortuneには「運勢」のほか「幸運」の意味もあるので、その連想だろう。ウインルーア…

タイガーリリー

新潟2歳Sでタイガーリリー(牝2=尾関)が大輪を咲かせるか。 Tiger Lilyは夏に咲く大型のユリでオレンジ色の巻いた花弁に紫色の斑点が散るオニユリ(鬼百合)のこと。大きさと個性的かつ迫力のある花姿から「鬼」が付いたと思われる。なおタイガーリリー…

プリディカメント

北九州記念にプリディカメント(牝5=吉村)が出走予定。 Predicamentは英語で「困難な状況、苦境、窮地」の意味。デビューが3歳未勝利がなくなる直前の3歳9月。これに勝てず園田に転厩して連勝→JRA復帰。復帰後はダートで秒単位の2連敗→芝で一変V…

ランブリングアレー

2勝→3勝クラスと連勝のランブリングアレー(牝4=友道)が小倉記念で重賞初Vを狙う。Alleyは母ブルーミングアレー(花咲く小道)から。その母の兄である米トラヴァーズS勝ちフラワーアレイ(Flower Alley)にあやかったものだろう。Ramblingは「ぶらぶ…

ロードゴラッソ

興味深い組み合わせとなったエルムS。注目はロードゴラッソ(牡5=藤岡)だ。Golazoはスペイン語で、スポーツ、とりわけサッカーの用語。母がサッカーマムなので。スペイン、アルゼンチンといったスペイン語圏はいずれもサッカーが盛んなのでちょっと不思…

サムシングジャスト

昨年10月から4戦3勝。サムシングジャスト(牝4=松田)は瞬く間に1勝クラスからオープンまで出世。 馬名はたぶんザ・チェインスモーカーズ(米エレクトロデュオ)とコールドプレイ(英ロックバンド)がコラボして17年にリリースした「サムシング・ジャス…

ナランフレグ

アイビスSDのナランフレグ(牡4=宗像)はモンゴル語の馬名。ナランは「太陽」だが、フレグはチンギスカンの孫フレグ大王ばかり出てきて、JRA公式由来「速く飛ぶ馬」の裏付けがなかなか見当たらない。調べた結果、おそらくモンゴルにおける祝福の口承…

函館2歳Sの神馬名(かみ・ばめい)

函館2歳Sは1988年にサザンビーナスが勝った。今年はそれ以来、32年ぶりに「神馬名」の戴冠があるかもしれない(93年マリーゴッドは神がつくが神馬名とは言えない)。ただしビーナスのような著名な神ではない。フォルセティは北欧神話「エッダ」の神話詩「…

キタノオクトパス

馬なのに…という馬名の極北は、馬なのにネコで枝葉を世界に広げたストームキャットだと思うが、「馬なのに馬名」のトレンドは多様。1種類の動物で個別に年間数万の名前が付き、全てが登録されて重複が少ないのはサラブレッドだけ。馬名界が広く深いゆえんだ…

エネイブル、ジャパン

新型ウイルス感染拡大の影響で、日本馬の海外出走はハードルが高い。ところが英国を本拠としてサーキットを続けるディアドラが出走するエクリプスSの馬券を買える!ありがとう、ディアドラ。ライバルの馬名を見よう。強敵はエネイブル(Enable=可能にする…

ワイドファラオ

3日前にカフェファラオがユニコーンSを圧勝したばかり。返す刀で帝王賞にワイドファラオ(牡4=角居)が出走する。時代はエジプトだ。 ファラオは馬名界では頻出の要素。古くはキングファラオが94年灘Sでビューティーメイク(オメガパフュームの祖母)を…

カフェファラオ

馬名界には馬名登録間違い名馬の系譜がある。エクリプスの子Pot-8-Os(本来はPotatos)、2冠馬スウヰイスー(本当はスウヰトスーにしたかった)、BCスプリント覇者スクワートルスクワートは語尾にもう一つ「ル」が付くはずだった。そして米3冠馬アメリカ…

アンドラステ

6戦4勝。底を見せていないアンドラステ(牝4=中内田)がエプソムCで重賞初挑戦。 Andrasteは古代ローマ時代、現在の英国東部に住んだケルト人部族イケニ族の戦争の女神。西暦60年、イケニ族がローマ帝国に反乱を起こす際に、王族の女性ブーディカが反乱…

安田出走馬の香港名

昨年、今年と香港馬は不在だが、安田記念は日本競馬と香港競馬の架け橋。香港でも注目の一戦で<東洋馬后「杏目」將是日本史上首匹八勝一級賽>(東洋の女王アーモンドアイが史上初の芝G1・8勝馬になるだろう)と評価が高い。今回はダノン3頭出し。冠名…

サリオス

皐月賞2着のサリオス(牡3=堀)はダービーで逆転なるか。大勝負。 Saliosは古代ローマ時代のマルス(いくさの神)に仕えた祭司のこと。王政ローマ第2代の王ヌマ・ポンピリウスの時代に、神聖なるマルスの盾が空から降ってきた。この盾は11枚複製され、計…