2015-01-01から1年間の記事一覧

「ルー」×3@中山金杯

中山金杯の登録馬で馬名的に興味深い現象。4文字馬名で字面が似るペルーサとベルーフが隣り合ったのだ。どっちがどっちか分からない。あとフルーキーもいて、2〜3文字目「ルー」の馬名が3頭もいる。Flukyは「偶然に得た」の意味だが、得難い偶然。なおペ…

有馬記念のサイン、なにかアリマすか?

有馬記念では「ケントク買い」――馬の能力に関係なく、数字や語呂合わせで適当にこじつけて買う方法も広く用いられる。馬名から今年の有馬をケントク買い。 有馬=アリマ。逆から読んだらマリア。マリアとつく名の馬が有馬に出走するのは84年以降初めて。馬名…

リオンディーズ

キャリア1戦でリオンディーズが朝日杯FSを勝つようなら、クラシックの主役はほぼ決まる。 Leontesはシェイクスピア「冬物語」の登場人物でシチリア王。正則通りならレオンティーズとつづるべきだろうが、実際の発音はリオンディーズと聞こえなくもない。…

クロコスミア

既に7戦とキャリア豊富なクロコスミア(牝2=西浦)が阪神JFに出走する。 Crocosmiaはアヤメ科の花で「ヒメトウショウブ属」の学名。園芸ではヒメヒオウギズイセン(モントプレチア)のことで、夏にかれんなオレンジの花をつけるが、ひ弱さとは…

ガンピット

今年の日本冠軍盃、海外から唯一参戦するのは香港の準備就緒だ。日本冠軍盃はチャンピオンズカップ、準備就緒がガンピット(セン5=ファウンズ)。 Gun Pit(銃+くぼみ)はどうも「豪州陸軍における防御陣地を意味する軍用語」らしいが、どこをどうして準…

ナイトフラワー

独オークス2着、オイロパ賞勝ちのナイトフラワー(牝3=シールゲン)がドイツからジャパンCにやってきた。 母父ヌレイエフ系、父のイニシャルがD、堅実派で前走GⅠ勝ち。意外にミッキークイーンと相似形?…は無理があるか。ともあれNightflowerはそのま…

モーリス

安田記念を制して春のマイル王となったモーリス(牡4=堀)が、ぶっつけでマイルCSに臨む。 JRA公式の馬名由来では「人名より」とそっけないが、確信を持って言う。父スクリーンヒーロー(銀幕の英雄)から、この馬名は英国映画『Maurice』(1987)か…

シュンドルボン

エリザベス女王杯に夏からの3連勝で一気に台頭してきた上り馬シュンドルボン(牝4=矢野)が出走する。 この馬名はベンガル語で、バングラデシュのベンガル湾に面したガンジス川流域にあるマングローブ群生地帯のこと。国立公園に指定され、世界遺産として…

タイセイマライカ

ムトト、ミスワキという欧州の名馬の馬名がスワヒリ語(ケニア、タンザニア、ウガンダの公用語)なのは有名な話。ムトトが「子ども」、ミスワキが「歯ブラシ」だ。 ファンタジーSにもスワヒリ語の馬名が登場。タイセイマライカ(牝2=西村)のMalaikaは同…

サトノクラウン

ダービー(3着)からの直行になったことで、サトノクラウン(牡3=堀)は天皇賞・秋でなんとも扱いに困るが、秘めた資質からやはり最大の惑星といっていいだろう。 Crownは「王冠」、「勝利の栄冠」のこと。語源はギリシャ語 κορωνα(=冠)で、それがラテ…

リアファル

菊花賞で逃げ切りが決まるか? そもそもリアファル(牡3=音無)がハナを切るのか? ダートから芝に転じて2連勝、前走で神戸新聞杯を制したこの馬が話題。馬名はアイルランド語。なじみ薄い言語で自信はないが、Liaが「石、柱石」、 Failが「輪、リング」…

ホワイトエレガンス

秋華賞出走の関東馬が栗東トレセン入りするのは珍しくない。その先駆けが国枝厩舎。紫苑S2着の芦毛馬ホワイトエレガンス(牝3=国枝)も栗東から本番に臨む。 White Eleganceは「白い気品」あるいは「純白の優雅さ」か。エレガンスはさかのぼればラテン語…

ステファノス

毎日王冠の副賞が本当に「王冠」、しかも普段使いは絶対無理なクラウン型のそれ…というのはわりと有名な話だが、このレースを勝つにふさわしい馬名はこの馬。ステファノス(牡4=藤原英)だ。 この馬名はギリシャ語で、ΣΤΕΦΑΝΟΣとは「冠、王冠、勝利の冠」…

リッチタペストリー

スプリンターズS、香港からリッチタペストリーが来日。 父はホーリーローマンエンペラー。「神聖ローマ皇帝」という、どこか琴線に触れる大仰な名で、実際2歳GⅠを2勝してどれほど大物になるかと思われたが、07年、同父で種牡馬入りしたジョージワシント…

マイネルフロスト

海外遠征帰りのマイネルフロスト(牡4=高木)がオールカマーに登録している。 マイネルはおなじみの冠名。Frostは「霜、氷結」で母スリースノーグラス、祖母ダイヤモンドスノーらsnow(雪)がらみの馬名から連想した命名だろう。なおFrostは英独同型であり…

テルメディカラカラ

勝った時の単勝オッズが89.6倍、11.8倍。テルメディカラカラ(牝3=石橋)がローズSでみたびの穴をあける!? Terme di Caracallaはイタリア語。ローマ時代に建設されたテルマエロマエ(ローマ浴場)のひとつ、カラカラ浴場のこと。浴場というが銭湯規模では…

ルチャドルアスール

「最も関係の深い人馬」に認定したい名コンビ、平野優とルチャドルアスール(セン6=二ノ宮)がセントウルSに出走する。 この馬名はスペイン語。Luchadorは「戦士」ではあるが、断然「ルチャリブレのレスラー」として知られているだろう。日本語表記は「ル…

プロフェット

素質馬、評判馬が顔をそろえた札幌2歳S。ハナを切って上がり3F最速を繰り出し新馬戦を逃げ切ったプロフェット(牡2=池江)も有力馬の一角を担う。 父はハービンジャーで父名の意味は「先駆者」。Prophetにも二義的に「先駆者」の訳がある。ただしHarbi…

エポワス

北海道7戦2勝、2着3回という洋芝巧者エポワス(セン7=藤沢和)がキーンランドCに出走。前走UHB賞を格上挑戦でレコード勝ち。勢いは一番。 Epoissesはフランス・ブルゴーニュ地方にある村の名称で、エポワス・ド・ブルゴーニュというウォッシュチー…

ダービーフィズ

夏競馬のクライマックス札幌記念に、函館記念で重賞初制覇を果たしたダービーフィズが登場。 Derby Fizzはカクテルの名前。カクテル名の由来はエプソムダービー。母マンハッタンフィズからの連想で、姉アプリコットフィズ、シャンボールフィズともどもカクテ…

カチューシャ

太陽が きのうより まぶしく照りつけ始めたら――そんな季節のエルムS。真っ白なTシャツに今すぐ着替えてカチューシャ(牝6=角田)推しだ! カチューシャは「C字型(ここでは馬蹄型というべきか)のヘアバンド」のことで、日本独自の呼称。英語だと「アリ…

マローブルー

小倉記念のマローブルー(牝4=堀)は格上挑戦になるが、軽ハンデでいかにも走りそうなディープインパクト産駒。 Mallow Blueはアオイ科ゼニアオイ属の植物名で、和名は「ウスベニアオイ」。花はハーブティーとして用いられ、いれたてはブルー。時間の経過…

レイヌドネージュ、ブランネージュ

札幌開幕週クイーンSで、あえて真夏に「雪」の名をいただく2頭をピックアップ。レイヌドネージュとブランネージュだ。Neigeはフランス語の「雪」。 Reine des Neigesはディズニー映画「Frozen」のフランス語版の題名。つまり「雪の女王」。後方ポツンのレ…

ドナルチア

函館2歳Sは昨年アクティブミノルが新馬戦を勝って連闘で臨んでV。今年はドナルチア(牝2=矢作)がそのパターンを踏襲か。 母レディータックで、DonaはLadyのポルトガル語。Luciaはイタリア語の女性名。実在、創作を問わず、著名なルチアは結構いるが2…

レッドレイヴン

今年も難しそうな函館記念。巴賞2着からの臨戦でレッドレイヴン(牡5=藤沢和)が出走する。 レッドは冠名、Ravenは鳥の「ワタリガラス」だが、形容詞で「烏(からす)の濡羽色(ぬればいろ)の」という意味もある。その色合いは、漆黒のカラスがぬれたか…

ストゥディウム、インディウム

大井のジャパンダートダービーは今年もJRA勢優位の下馬評だが、地方勢も多士済々。船橋にストゥディウム(牡3=矢野義)、園田にインディウム(牡3=田中範)あり。 ―iumはラテン語の名詞・主格を表す、あるいは化学元素の名詞をつくる語尾。前者のStud…

アンビシャス

夏の3歳限定ハンデ重賞という微妙な立ち位置のラジオNIKKEI賞だが、今年はなかなかの好メンバーだ。 アンビシャス(牡3=音無)はプリンシパルSを制しながらダービーをパスしてここへ。Boys, be ambitious!(少年よ大志を抱け)と激励したクラーク博士が…

トーホウジャッカル

時に奇跡は起こる。さしずめ菊以来のトーホウジャッカル(牡4=谷)が宝塚をぶっこ抜けば当分語り継げる奇跡を目の当たりにしたことになる。 ジャッカルはイヌ科の食肉獣。古くに「ジャッカルはライオンのために獲物をあさる」という迷信が流布していたが、…

サトノデプロマット

函館スプリントSにサトノデプロマット(牡5=高橋亮)が出走予定だ。ダート1000万級で勝ちあぐねていたが、芝に替わって連勝でオープン入り。重賞では果たして。 Diplomatは「外交官」あるいは「外交家、駆け引きがうまい人」の意味。この単語は、言語的に…

マリアライト

条件級を2連勝中のマリアライト(牝4=久保田)がマーメイドSに登録してきた。格上挑戦になるが、勢いは侮れない。 Marialiteは鉱石の一種。ナトリウムに富み、かつカルシウムを含まない柱石で、日本では「曹柱石」の呼び名もある。最初に記述されたのが1…