2018-01-01から1年間の記事一覧

パフォーマプロミス

さあ有馬記念。パフォーマプロミスは前走のアルゼンチン共和国杯が完勝だった。穴馬として有り? アル! performは「演じる、果たす」。promiseは「約束」。日本語では確かに約束を果たすことができるが、英語においてpromiseは守る(keep)ものであり、実行す…

ファンタジスト

創造性のあるプレーをするサッカー選手はイタリア語でファンタジスタ。語源はそれと一緒ながら一文字違うファンタジストが朝日杯FSに出走する。こちらは英語だ。 ファンタジストの語源はイタリア語のfantasiaで「空想、想像力」。そこから「幻想曲」や「幻…

香港国際競走

香港国際競走における馬名と香港名を比べてみよう。香港カップのタイムワープは馬克羅斯。馬克はマルク、羅斯はローズの中国語での当て字。タイムワープ→マルクローズにワープ。マイルのモズアスコットは魔族雅谷。魔族の中国語での発音が「モズ」なだけで、…

パヴェル

パヴェル(セン4=米国モラ)は前走のレース後、厩舎がオニール→モラに変更。モラ師はケンタッキーダービーのデュアルウィナー(アイルハヴアナザー、ナイキスト)であるオニール師の右腕を務めており、オニール師はフリートストリートダンサーでJCダート…

サンダリングブルー

英国からジャパンCに遠征してきたサンダリングブルー(セン5=ムニュイジエ)は「クラス2ハンデ戦」でモマれて力をつけた叩き上げセン馬。日本の馬場に合うのか、通用するのか。興味深い。 Thundering Blueは直訳すれば「雷鳴の青」。雷は青く光るとも言…

ミッキーグローリー

古馬になって本格化したディープインパクト産駒ミッキーグローリー(牡5=国枝)がマイルCS制覇を狙う。 ミッキーは冠名。グローリーは「栄光、名誉、名声」。gloryの語源はラテン語gloriaで、これはギリシャ語ΚΛΕΟΣ(クレオス)と同根。クレオスは「名声…

レッドジェノヴァ

じわじわと力をつけてきたレッドジェノヴァ(牝4=小島)がエリザベス女王杯に出走。 レッドは冠名。ジェノヴァはイタリア北西部の都市。祖母マンハッタンフィズ(カクテル名)からの連想で母はコロンバスサークル。母名はニューヨーク市マンハッタンの円形…

センチュリオン

紀元前6世紀の王政ローマで、ローマ王セルウィウス・トゥッリウスが財産の多寡によってローマ人の階級を分けた。およそ100人の集団が193。この集団の名をcenturia(ケントゥリア)という。語源はラテン語のcentum(100)。百分率(パーセント)の…

サングレーザー

サングレーザーが待望のGⅠ奪取なるか。札幌記念を制し、満を持しての天皇賞(秋)出走だ。 SungrazerはSun(太陽)+grazer(かすめて通る者)。グレーザーには「草食動物」の意味もある。つまりサングレーザーは「太陽のような草食動物」として、既に頂点…

エタリオウ

伝統の菊花賞というなら、古風な和語の馬名が重みを増すはず。そこでエタリオウ(牡3=友道)だ。 「得たりおう」とは、「得」の連用形+助動詞たり(動作がなされてその結果が今もある)+感動詞おう=「唯」の語尾が延びたもの。思い通りになった時や快く…

ラテュロス

秋華賞で咲き誇るか。ローズS3着のラテュロス(牝3=高野)が出走。 この馬名はギリシャ語。ΛΑΘΥΡΟΣは現代ギリシャ語では「スイートピー」のこと。花はかれんでSweet pea(甘いエンドウ)とは言うものの、実は有毒植物。ラテュロスは同じつづりで古代ギリ…

短途馬錦標の香港名

アドマイヤゴッド 敬神 アレスバローズ 神將巴魯 ブラヴィッシモ 馬中之龍 キャンベルジュニア 唱作人 ダイメイプリンセス 大名妃子 ファインニードル 鐵杵成針 グレイトチャーター 大憲章 ヒルノデイバロー 蹄快來 カイザーメランジェ 合成國王 キングハー…

ワグネリアン

ダービー馬の秋始動戦といえばここが定番。ワグネリアンが神戸新聞杯に出走する。 WagnerianはWagner+―ianで接尾辞―ianは「出身、関連、所属」などを付加する。Wagnerはドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーのことで、つまりワグネリアンとは「ワーグナー…

サトノワルキューレ

フローラSを勝った時の末脚が鮮烈。サトノワルキューレがローズSでまた大輪を咲かすか。 Warkureはドイツ語で、北欧神話の戦(いくさ)乙女のこと。14世紀以前にスカンディナヴィアで使われた古ノルド語Valkyrjaが語源。英語ではValkyrie(ヴァルキリー)…

メサルティム

紫苑Sにメサルティム(牝3=荒川)が出走。この馬名は母ピンクアリエスからの連想だ。Ariesは「おひつじ座」。生まれは母が3月22日、娘は3月24日。いずれも「おひつじ座」となるが、Mesarthimはおひつじ座γ星の固有名。星図「ウラノメトリア」を記したヨ…

カシノティーダ

小倉2歳Sは夏競馬の締めくくりだが、晩夏の折りになお暑さは緩まない。猛暑日が日常的だった今夏を象徴する馬名がカシノティーダ(牝2=田所)だ。 ティーダは沖縄や奄美の言葉で「太陽」。未勝利の身でひまわり賞(ひまわり=sunflower=太陽の花)を勝…

トゥラヴェスーラ

スプリント界に新星誕生なるか。トゥラヴェスーラ(牡3=高橋康)がキーンランドCで古馬に挑戦する。 Travesuraはスペイン語で「いたずら」。語源はラテン語transverto(横切る、向きを変える)で、この動詞からは多くの派生語がある。たとえばイタリア語…

マイスタイル

風を切るこの走りこそマイスタイル。「逃げ」の戦法を確立させて連勝中のマイスタイル(牡4=昆)が札幌記念に挑む。 My Styleは「私の流儀」、「私の生き方」。Styleの語源はラテン語stilusで、意味は「尖筆」。ローマ時代には蝋版に字を書くためとがった…

エイシンティンクル

2連勝の勢いを駆ってエイシンティンクル(牝5=坂口正)が関屋記念で重賞初制覇を狙う。 兄がエイシンヒカリなので、「光」→「輝く」→「キラキラ」→Twinkle(きらめき、キラキラした輝き)と連想がつながる。Twinkleといえば"Twinkle, Twinkle, Little Sta…

アルクトス

馬なのに豹(ヒョウ=Leopard)とはこれいかに…なレパードSだが、ここに熊が出走する。前走で「猪」苗代特別を勝ったアルクトス(牡3=栗田徹)だ。 ΑΡΚΤΟΣはギリシャ語で「熊」。ギリシャ神話に、ゼウスに懸想されたせいで、熊にされてしまった乙女カリス…

モルフェオルフェ

500万を勝ったばかりだが、モルフェオルフェ(牝3=大江原)がアイビスSDに登録。 モルフェは冠名で、ギリシャ語μορφη (形)のことか。オルフェは父名オルフェーヴルの一部。なおOrfevreはOr(金)+fevre(ラテン語faber=「職人」からの変化)なの…

フランス関連馬名

サッカーW杯ロシア大会はフランスが優勝。安易だが中京記念でフランス関連の馬の好走を期待。 昨年勝ち馬ウインガニオンはGagnantがフランス語で「勝者」。ロワアブソリュー(Roi Absolu)の馬名もフランス語で「絶対的な王」。絶対王政におけるフランス王…

マイネルハニー

混戦模様の函館記念。マイネルハニー(牡5=栗田博)にもチャンスはあるはずだ。 古今に「ハニー」のつく馬名は珍しくないが、圧倒的に牝馬が多い。マイネルハニーも母ブライアンハニー、祖母ハスキーハニーと母方の名を受け継いだもの。Honeyの第一義は「…

ウインムート

オープン2連勝と充実一途のウインムート(牡5=加用)がプロキオンSに出走する。 Mutはドイツ語で「勇気」。古高ドイツ語のmout、さらにゲルマン祖語までさかのぼり、同根から派生した単語に英語のmoodがある。ゲルマン祖語の語源には「心、勇気」の意味…

カツゲキキトキト

大井の帝王賞に名古屋競馬からカツゲキキトキト(牡5=錦見勇)が出走。東海一の弓取りとして君臨。交流重賞でも【0135】。2着は17年白山大賞典。インカンテーションに続いたものだ。強敵相手の帝王賞でも奮戦を期待したい。 カツゲキは冠名。「きとき…

ワーザー

香港の実力馬ワーザー(セン7=Jムーア)が宝塚記念に出走。同レースへの外国馬の出走は97年セトステイヤー以来、21年ぶり。 この馬、当初「ウェルテル」と表記されていた。Wertherはドイツ語でウェルテル、英語読みだとワーザーになるが、ニュージーラン…

ルヴァンスレーヴ

風立ちぬ、いざ生きめやも――。人口に膾炙したこの一節は、堀辰雄の「風立ちぬ」序曲に出てくる。元は小説の冒頭に引用したフランスの詩人ポール・ヴァレリーの詩「海辺の墓地」にある"Le vent se leve, il faut tenter de vivre."を堀が訳したもの。そう、ユ…

ダイワキャグニー

エプソムのダービーにディープインパクト産駒サクソンウォリアーが出走(4着)。グンと日本になじみが出たエプソムと東京競馬場は姉妹提携している。提携記念のエプソムCに東京巧者ダイワキャグニー(牡4=菊沢)が出走。 キャグニーは人名。最も著名なの…

安田紀念賽香港名

アエロリット 太空隕石 ウインガニオン 勝者行 ウエスタンエクスプレス 西方快車 キャンベルジュニア 唱作人 サトノアレス 里見武神 サングレーザー 白日彗星 スターオブペルシャ 波斯蔥 スワーヴリチャード 文雅之士 ダッシンブブレイズ 疾飛猛火 タワーオ…

ステイフーリッシュ

05年、当時アップルコンピューターとピクサーアニメーションスタジオのCEOだったスティーブ・ジョブスがスタンフォード大学の卒業式でスピーチをした。生い立ちから成功と挫折、愛と死について語り、「他人の考え、ドグマにはまることなかれ。自らの心と…