ルヴァンスレーヴ

 風立ちぬ、いざ生きめやも――。人口に膾炙したこの一節は、堀辰雄の「風立ちぬ」序曲に出てくる。元は小説の冒頭に引用したフランスの詩人ポール・ヴァレリーの詩「海辺の墓地」にある"Le vent se leve, il faut tenter de vivre."を堀が訳したもの。そう、ユニコーンSに出走するルヴァンスレーヴ(牡3=萩原)の名は、ヴァレリーの詩から取られたものであり、つまり訳は「風立ちぬ」だ。宮崎駿の映画「風立ちぬ」(2013)で、菜穗子と二郎の間でこの一節のやりとりがあるので、そこにインスピレーションを得た命名かもしれない。堀の訳には誤訳論争があるがここでは立ち入らない。ルヴァンスレーヴ、それは心に残る一節。それで十分だ。