トーホウジャッカル

 時に奇跡は起こる。さしずめ菊以来のトーホウジャッカル(牡4=谷)が宝塚をぶっこ抜けば当分語り継げる奇跡を目の当たりにしたことになる。
 ジャッカルはイヌ科の食肉獣。古くに「ジャッカルはライオンのために獲物をあさる」という迷信が流布していたが、そんな事実はない。Jackalが「手下、下働き」のたとえに使われるのもその迷信のせいで、名誉棄損ものだ。トルコ語çakal〜ペルシャ語シャガールとさかのぼれて、語源はサンスクリットのスリガーラ(=ほえる獣)。名の由緒は正しい。近年ではF・フォーサイスに「ジャッカルの日」という小説があり、その登場人物からジャッカル=刺客のたとえもあって名誉回復中。