2019-01-01から1年間の記事一覧

リオンリオン

最強のライバルにさあ牙をむけ。リオンリオンこそ今年のダービーで展開を支配する馬だ。馬名はフランス語。Lion Lionとつづると明らかだが、リオンはライオン(ネコ科の大型獣)のこと。つまりライオン・ライオンと繰り返している。同音反復には親愛が込めら…

ラヴズオンリーユー

桜花賞馬不在のオークスで、この馬が人気になりそうだ。3連勝で忘れな草賞を制したラヴズオンリーユー。 母Loves only meの「私」を「あなた」に代えて命名されているが、省略されている主語には何が入るだろうか。三単現sが付いており、私やあなたではな…

レッドオルガ

ヴィクトリアMに出走するレッドオルガ(牝5=藤原英)は、産駒のJRA重賞11勝というスーパー繁殖牝馬エリモピクシーの娘。ただ、ピクシー産駒はG1勝ちに届いていない。孝行娘が一族の悲願を達成するか。 Olgaはスラブ系の女性名で、古い北欧の女性名He…

グルーヴィット

NHKマイルCのグルーヴィット(牡3=松永幹)にダミアン・レーンが騎乗。Laneは「小道、通路、車線」、Groove itのGrooveは「溝、水路」なので、そこにグルーヴィ(Groovy、ノリがいい)な相似性を感じることができるだろう。通路で相通ず、みたいな。 …

フローレ、ワイクク

新顔が好まれるのは洋の東西を問わない。香港クイーンエリザベス2世Cでは香港ダービー1、2着馬が現地で評判。1着馬はフローレ。Furoreは英語にもイタリア語にもあるが「熱狂的な称賛」のこと。香港名「添滿意」。「満足する」ぐらいの意味か。近くもな…

クラサーヴィツァ

フローラS登録のクラサーヴィツァ(牝3=武井)は、日経新春杯Vグローリーヴェイズによって脚光を浴びるメジロラモーヌ牝系。この馬の祖母であるラモーヌはフローラS前身の4歳牝馬特別を勝っている。 この馬名はКрасавицаとキリル文字でつづるロシア語…

サートゥルナーリア

ホープフルS勝ちサートゥルナーリア(牡3=角居)が年明け初戦で皐月賞に出走。 ローマ神話。サートゥルヌスはユピテルに王位を追われてイタリアに逃れ、その地の王となり「黄金時代」の世を治めた。人々は慈悲あふれる統治をたたえ、毎年12月17日からサー…

アクアミラビリス

エルフィンSを上がり3F33秒3の強烈な末脚で勝ったアクアミラビリス(牝3=吉村)は、桜花賞で驚異の末脚を再現できるか。 この馬名はラテン語。Aquaは「水」、Milabilisは「驚異の、奇跡の」。中世ヨーロッパの修道院は医療院としての一面があり、消毒…

エアウィンザー

エアウィンザーが大阪杯に出走。全兄エアスピネルはGⅠ【0214】だが、弟はGⅠ初挑戦でその壁を破れるか。 Windsorは英国の地名。ロンドンの西にあるバークシャーに、女王エリザベス2世が週末過ごすウィンザー城がある。もとは11世紀にノルマンディー公…

ミスターメロディ

阪急杯7着のミスターメロディが高松宮記念で反撃の旋律を奏でる。 父スキャットダディ。スキャットはジャズの歌唱法(シュビドゥビとかルルルとかアドリブで歌うもの)で、その連想から命名。Mr. Melodyはアメリカのジャズボーカリスト、ナタリー・コールの…

コスモカレンドゥラ

レース名に春を冠した皐月賞TR・スプリングSにコスモカレンドゥラ(牡3=田中博)が登録。 Calendulaは花の名前。邦名キンセンカ、英名ポットマリーゴールド。春に黄色やオレンジのかれんな花を咲かせる。その花の色をイタリア語ではgiallo vivo(鮮やか…

アウィルアウェイ

馬名は数あれど、これほど命名の妙を感じさせるものはそうない。フィリーズレビュー出走のアウィルアウェイ(牝3=高野)。父ジャスタウェイ、母ウィルパワーで、両親の名前の一部を組み合わせただけだが、それでいて[Where there is a will, there is a w…

カントル

全兄弟が2年連続で弥生賞に出走するのはなかなかの難事。ワグネリアンは昨年2着。アンコールで出てきた全弟カントル(牡3=藤原英)はさて何着? 母ミスアンコールが音楽を連想させることから、兄は「ワーグナー信奉者」、弟(Cantor)はシンプルにラテン…

エントシャイデン

インティが7連勝で一気にダート界の頂点に上り詰めた。短距離界にも新星が現れるか。阪急杯に条件級3連勝のエントシャイデン(牡4=矢作)が登場する。 この馬名はドイツ語。Entscheidenは「決める、決断する」。語源的にはentが「~から」、scheidenは「…

オメガパフューム

いささかフェミニンな名前かと思う。フェブラリーSに臨むオメガパフューム(牡4=安田翔)だ。この馬名を聞くと自ずとテクノ系の3人組ユニットが思い浮かぶ。ポップな名前に加えて、ダート馬としては軽量ボディーの芦毛で、ダンサブルおしゃれ男子と言え…

クロノジェネシス

旧約聖書「創世記」2章4節。日本聖書協会訳では「これが天地創造の由来である」。別訳でいわく「主なる神が最初に天と地を創造された時の模様は、この通りである」。天地創造と原初の人類(アダムとイブ、ノアの箱舟、バベルの塔)、イスラエルの太祖、ヨ…

ヴァンドギャルド

社台ファーム生産、藤原英厩舎、M・デムーロ騎乗。10年きさらぎ賞勝ち馬ネオヴァンドーム、11年トーセンラーはこの3ブランドがそろっていた。その系譜は今年ヴァンドギャルドが受け継ぐ。 この馬名はフランス語。Vinは「ワイン」、deは「~の」。gardeは英…

ダノンスマッシュ

ロードカナロアは種牡馬として短距離カテゴリーにとどまらないが、とはいえ正統なスプリントの継嗣も出てほしい。父と同じ安田隆厩舎のダノンスマッシュ(牡4)がその候補。カナロア本流のスプリンターがシルクロードSを制圧する。 Smashは「打ち砕く」あ…

インティ

中天に昇る太陽をさえぎるものがあるだろうか。インティ(牡5=野中)が5連勝から東海Sに臨み、ダートの頂点を目指していく。 この馬名は南米の土着言語であり、インカ帝国で使われたケチュア語。帝国を興したケチュア族は太陽神信仰を国教として、太陽=…

グローリーヴェイズ

香港国際競走で、香港ヴァーズというレース名は不思議ではないか?「香港瓶」。実は香港カップなら勝ち馬に盃(カップ)がもらえるところ、香港ヴァーズは花瓶(vase)なのだ。 Vaseは花瓶、あるいは「ツボ」の意味。日経新春杯出走のグローリーヴェイズはGl…