2017-01-01から1年間の記事一覧

カデナ

ダービーに出走するカデナ(牡3=中竹)は見直せるか、否か。 Cadenasはフランス語で「南京錠」。語源的には古プロヴァンス語経由で、ラテン語catena(=鎖)にさかのぼる。その語尾変化catenatum(=鎖がかけられた、鎖につながれた、手錠・足かせをかけら…

フローレスマジック

オークスに出走するフローレスマジックは、母マジックストームから名前の一部を継承。ところで馬名の第一印象はFlores(スペイン語、ポルトガル語の「花」、そこから名づけられた島の名)かと思ったが、フローレスはFlawless(欠点のない、完璧な)だった。f…

日本競馬史上、一番賞金を稼いだ「クイーン」は?

日本競馬の「クイーン」で一番賞金を稼いだのは? クイーンといっても戦績的な女王ではなく、馬名に「クイーン」が入った馬で、だ。答えはメジロマックイーン…という「その手があったか」的なクイズ。なおMcQueenとQueenは無関係(マックイーンはゲール語、…

ジョーストリクトリ

今回はコーヒーでも飲みながら。NHKマイルにジョーストリクトリが出走。祖父マンハッタンカフェ、父ジョーカプチーノ。カフェ〜カプチーノ(エスプレッソに泡立てた牛乳を加える飲み方)というコーヒー関連の流れを継ぐ命名。コーヒー豆の産地で標高によ…

北部玄駒、里見光鑽

キタサンブラックの馬体があまりに素晴らしく、「ブラックだけに黒王(@北斗の拳)か」と思ったのは筆者だけではないはず。ちなみに香港では同馬を「北部玄駒」と表記する。玄は「黒い」だが、同時に「深遠な、奥深い、神秘的な(幽玄とか深玄)」、さらに…

アンネリース

フローラSでアンネリース(牝3=尾関)がオークス出走権を狙う。 Anneliesはドイツやオランダの人名で、複合名(二つの名前を複合、結合した名前)。ドイツでは複合名が流行した時代があって、ほかにアンネマリーとかローズマリーとかマリアンヌとか、いろ…

ファンディーナ

ファンディーナ(牝3=高野)が69年ぶり牝馬による皐月賞Vに挑む。 馬名はタイ語だ。つづりはฝันดีนะ。個人的な話だが、久しぶりにタイ語の辞書やら何やら渉猟して有意義な時間を過ごせた。ฝัน(ファン)が「夢」、ดี(ディー)が「良い」でนะ(ナ)は語尾…

サロニカ

桜のディープ産駒サロニカ(牝3=角居)は強敵を向こうに回して大仕事を成し遂げられるか。 牝系は代々イニシャルSで、本馬もその例にもれない。加えて母名サロミナと頭韻を踏んでSalonikaと名づけられている。ギリシャ語なら Θεσσαλονικη(テッサロニケ)…

モンドインテロ

大阪杯でGⅠ初挑戦となるモンドインテロ(牡5=手塚)は大仕事を成し遂げられるか。 なんとなく時代劇っぽいイメージ(主水とかインテロ≒印籠とか)だが、この馬名はイタリア語。Mondo interoで「世界の全て、世界中」。母シルクユニバーサルのUniversal(…

トウショウピスト

果たして母の無念を晴らすことができるか。高松宮記念に出走するトウショウピスト(牡5=角田)は、同レースに4年で3度出走した名短距離牝馬シーイズトウショウ(04〜07年⑤…③⑧着)の息子。 Pisteはフランス語で「滑走路、(自転車などの)トラックコース…

マンカストラップ

ファルコンSにマンカストラップ(牡3=伊藤大)が出走。なんだか挑戦的な馬名だが、これはミュージカル「キャッツ」、あるいはその原作というかモチーフとなったエリオットの詩「キャッツ―ポッサムおじさんの猫とつき合う法」由来。 両作品に登場する猫(…

カラクレナイ

フィリーズレビューという屈指のウエスタン・スタイルの名前のレースに、和の馬名を持つ馬が臨む。カラクレナイだ。 「唐紅」は色の一種。「鮮やかな濃い紅色」とあるが、現代的感覚では鮮やかとも濃いとも思えない。ヤブツバキの花の色が比較的近いのでは。…

ディアシューター

年明けの3歳重賞を制した牡馬の父はリーチザクラウン、バゴ、マンハッタンカフェ、ハーツクライ。ディープは? キンカメは? そりゃ牡馬クラシック路線も混とんとするはずだ。サムライハート産駒ディアシューターにもチャンスあり。 ディアは冠名。Shooter…

ミラアイトーン

アーリントンCのミラアイトーン(牡3=池江)に注目したい。この馬名はギリシャ語。μοιρα αιθωνとつづり、前者の意味は「運命」。後者は「燃えさかる炎」。太陽神ヘリオスが御して天空を駆ける4頭立ての馬車を引く馬には、パイロイス(火)、エオース(暁…

モーニン

ヘニーヒューズの代表産駒Beholderは、ことわざBeauty is in the eye of the beholder(美は見る人の目にあり=たで食う虫も好き好き)由来…と思わせて、ヘヴィメタルバンド・メタリカの曲「Eye Of The Beholder」から来ているんじゃないか。なんとなく。 同…

ヴェルラヴニール

「ヴ」がつく馬名の馬は強いと言われだしたのはいつだったか。ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、オルフェーヴルと毎年のように「ヴ」入り馬名がクラシックをにぎわしたころか。大魔神・佐々木主浩オーナーは近年、所有馬に「ヴ」入りの馬名をつけてい…

サトノアーサー

前走で上がり3F32秒7の末脚を繰り出したサトノアーサー(牡3=池江)は一級品のディープインパクト産駒か。きさらぎ賞に登場する。 Arthurはむろん「アーサー王伝説」で知られるブリトン人の君主だろう。母がKing's Roseで、Kingの代名詞といえばアーサ…

ラブバレット

6歳の古馬にして、こうした未知の魅力があるカク地が中央重賞に挑戦するシーンは最近、あまりない。根岸Sのラブバレット(牡6)だ。同馬は中央未出走だが、交流重賞での健闘歴あり。調教師はメイセイオペラの菅原勲。わくわくする。 Love Bulletは「愛の…

マイネルスフェーン

ホープフルSで2着に好走。一躍、クラシック路線に名乗りを上げたマイネルスフェーン(牡3=手塚)が京成杯に出走。 スフェーンは鉱石の名前で「くさび石、チタナイト」とも。透明度が高く宝石として珍重される。最近の活躍馬はマリアライト、シンハライト…