サムシングジャスト
昨年10月から4戦3勝。サムシングジャスト(牝4=松田)は瞬く間に1勝クラスからオープンまで出世。
馬名はたぶんザ・チェインスモーカーズ(米エレクトロデュオ)とコールドプレイ(英ロックバンド)がコラボして17年にリリースした「サムシング・ジャスト・ライク・ディス」由来だと思う。
この曲名を訳すのは意外と難しい。歌詞の流れからは「僕はヒーローじゃない」「私はそばにいてくれる人でいいの」――I want something just like this(僕はそうなりたいんだ)――。この曲の日本版ミュージックビデオは小松菜奈が素晴らしいのでお勧め。曲名由来なら、ロックバンド名とかぶるクイーンSはぴったり?
函館2歳Sの神馬名(かみ・ばめい)
函館2歳Sは1988年にサザンビーナスが勝った。今年はそれ以来、32年ぶりに「神馬名」の戴冠があるかもしれない(93年マリーゴッドは神がつくが神馬名とは言えない)。ただしビーナスのような著名な神ではない。フォルセティは北欧神話「エッダ」の神話詩「グリームニルのことば」に「十番目の館はグリトニル 黄金に支えられ 屋根は銀でふかれる フォルセティが暮らし 物事をみな鎮める」とあり、失敗しない仲裁者の性格を持つ法の神。重賞取りに「失敗しないので」となるか。フォドラはケルト神話「アイルランド来寇の書」で登場するバンバ、エリューとの三姉妹神で、アイルランド土着の女神。あとニシノエルサのエルサは「雪の女王」ではなくギリシャ神話の「露」の女神。
エネイブル、ジャパン
新型ウイルス感染拡大の影響で、日本馬の海外出走はハードルが高い。ところが英国を本拠としてサーキットを続けるディアドラが出走するエクリプスSの馬券を買える!ありがとう、ディアドラ。ライバルの馬名を見よう。強敵はエネイブル(Enable=可能にする)。母はコンセントリック(Concentric=集中的な)で人気は彼女にコンセントリック。そしてジャパン(Japan)。母はShastyeで、これは「シャースティエ」と読みたい。普通に読めば「シャスタイ」っぽいが、Shastyeはロシア語Счастье(=幸せ)を英語に転写したと推察する。シャースティエのお兄さんサガシティは01年凱旋門賞で武豊が騎乗して3着。日本とジャパンは縁がある。