ヴィオトポス

 生物学にビオトープ(Biotop)というドイツで生まれた概念がある。定義としては「ひとつの生態系をなす生物共同体の生活空間」あたりが適当だろう。近年は学校に設けられることもある。語源はギリシャ語の造語でΒΙΟΣ(ビオス、生命)+ΤΟΠΟΣ(トポス、場所)。
 長々と説明したのは、札幌2歳Sに登録しているヴィオトポス(牝=田村)の馬名の意味を説明するためだ。ΒΙΟΤΟΠΟΣとはつまり前述のようなこと。母マイネヴィータのvitaはイタリア語で「生命」、祖母マイネレーベンのLebenはドイツ語で「生命」。曽祖母ラフィアンの基礎牝馬オカノブルー。連綿とその「生命」をつなぐ牝系である。