過去、キングカメハメハとディープインパクトでダービーを制している金子真人氏が、今年はマカヒキ（牡３＝友道）を送る。この馬名はキンカメに連なるハワイ語で、同馬の父はディープだ。 Makahikiには「年、歳」の意味もあるが、伝統的な祭りの期間のこと。…

「待ちなさいアーデルハイド！」。めがねクイッ。ロッテンマイヤーさんはアニメ「アルプスの少女ハイジ」の登場人物。アルプスからゼーゼマン家に来たハイジの奔放な振る舞いを矯正しようと、厳しく当たる女性。 馬のロッテンマイヤー（牝３＝池添学）の名は…

ヴィクトリアマイルにジャパンカップ覇者の大物ショウナンパンドラ（牝５＝高野）が参戦。昨年８着、マイル実績も心許ないが、距離克服なるか。 πανδωραはギリシャ神話に登場する人類最初の女性。鍛冶の神ヘパイストスによって姿をつくられ、神々は彼女に授…

クラシック路線で有力馬の一角を担い、皐月賞５番人気８着だったロードクエスト（牡３＝小島茂）が何かを探し求めてＮＨＫマイルＣへ。求めるものは適距離か、タイトルか、それとも―。 Questは「探し求める、冒険の旅」。語源はラテン語quaesitus（＝探し求…

4月20日にオペラハウスが逝った。00、01年テイエムオペラオー、07年メイショウサムソンと２頭３度の春の天皇賞馬を出した名種牡馬。その遺児が春の盾にいる。ファントムライト（牡７＝藤原英）だ。 英国の映画監督マイケル・パウエル（「天国への階段」など…

史記「秦始皇紀」の一節。始皇帝の死後、悪臣趙高が鹿を二世（皇帝胡亥）に献じて「これは馬です」。二世「そんなあほな。鹿でしょ」。左右の臣は黙る者、権勢ある趙高におもねって馬という者、正直に鹿という者に分かれた。そして鹿と答えた臣は処刑された。…

３連勝でスプリングＳを制したマウントロブソン（牡３＝堀）が皐月賞に臨む。この戦績でも有力馬の一角を出ないあたり、出走馬のレベルの高さがうかがえる。 Mount Robsonは北米大陸のカナディアン・ロッキーに連なる山。Robsonは人名でson of Robのこと。Ro…

デビューして３戦とも上がり３Ｆ最速。チューリップ賞２着ジュエラー（牝３＝藤岡）が桜花賞でＶなるか。 Jewelerの意味は「宝石職人、貴金属商」。昔のジュエラーはしばしば時計も扱ったので、この馬の前走の走破タイム1分32秒８、上がり３Ｆ33秒０が注目さ…

ダービー卿ＣＴに豪州産の素質馬キャンベルジュニア（牡４＝堀）が登場。３歳ラジオＮＩＫＫＥＩ賞（15着）以来の重賞出走となるが、今回は結果を出しそうだ。 公式由来は「キャンベルの息子」とそっけない。では、それは誰か。Campbellは著名人も多いアイル…

昨年の高松宮記念ではエアロヴェロシティ（友瑩格）を取り上げて見事に優勝した。ディフェンディングチャンプが不在になった今年取り上げるのはサトノルパン（牡５＝村山）だ。 サトノは冠名、ルパンはアルセーヌかⅢ世か分からないが、有名な怪盗のことだろ…

スプリングＳにドレッドノータス（牡３＝矢作）が登場。ハイレベルと評判の牡馬クラシックで最前線に立てるか。 Dreadnoughtusは南米白亜紀の恐竜の名。2005年アルゼンチン・パタゴニアで発見された化石が有名。祖母ポトリザリスは同国ＧⅠ馬なので、少々迂遠…

キャリア12戦と経験豊富なカトルラポール（牝３＝浅野）がフィリーズレビューに出走する。前走は11番人気の大駆けＶだった。 この馬名はフランス語。Quatreは「４、４つの」、Rapportは「報告」とか「関係」の意味だが、ここでは心理学用語の「（セラピスト…

新馬→紅梅Ｓを連勝中のシンハライト（牝３＝石坂）がチューリップ賞に登場。 母シンハリーズ（シンハラ人＝スリランカの多数民族）の子はスリランカ関連の名がつく。アダムスピーク（同国にある聖頂）、リラヴァティ（同国史に名を残す女王）、アダムスブリ…

冠名ヒルノといえば11年天皇賞・春Ｖヒルノダムール（父マンハッタンカフェ）だが、同馬以来ヒルノ、父マンカフェ、昆厩舎の活躍馬が続々。マドリード（JRA平地４勝、障害２勝）、デイバロー（阪急杯出走）、そしてアーリントンＣのヒルノマゼラン（牡３＝昆…

フェブラリーSに出走するタガノトネール（セン６＝鮫島）は昨夏からの充実が際立つ。ここ７戦は４着以下なしの安定感だ。 Tonnerreはフランス語で「雷鳴」。同名の街やフランス海軍ミストラル級強襲揚陸艦の名でもある。語源はラテン語tonitrusで「雷鳴」の…

京都記念にレーヴミストラル（牡４＝松田博）が登場。日経新春杯を完勝。ここも最有力。 Rêveはフランス語で「夢」。母レーヴドスカー（オスカーの夢）からで、きょうだいの多くに受け継がれている。Mistralはフランス南部、地中海沿岸で吹く風の呼び名。ロ…

早くから重賞級と目されていたダッシングブレイズ（牡４＝吉村）が現在３連勝中。満を持して東京新聞杯で重賞初Ｖを目指す。 Dashingは「威勢のいい、元気いっぱいの」、Blazeは「炎、輝き」。つまり「強烈な炎、まばゆい輝き」ぐらいの意味。33秒台前半を３…

虎は死して皮をとどめ、人だけでなく馬も死して名を残す。11年に世を去ったサクラバクシンオーの名は、短距離戦線でなお健在だ。シルクロードＳは有力馬２頭出し。ここではローレルベローチェ（牡５＝飯田雄）に注目。 ローレルは冠名。Veloceはイタリア語で…

年明けの準ＯＰ・迎春Ｓを制したヤマニンボワラクテ（セン５＝松永幹）がＡＪＣ杯に登録。過去５勝すべて藤懸貴志という人馬一体コンビとしても注目を集めている。 冠名ヤマニンにはわりとフランス語の馬名が多くて、この馬もその１頭。Voie Lactéeは直訳す…

ヴィルジニア（牝６＝池添学）が格上挑戦で愛知杯に挑む。６歳牝馬だが、ここに来て充実してきたガリレオ産駒だ。 Virginiaはイタリア語の女性名。英語なら読みはヴァージニアで、語源はラテン語Virgo（＝乙女）…だが、この馬名においては天文学者ガリレオ・…