インカンテーション

 6年にわたって略称「インカン」で競馬ファンに親しまれているインカンテーション(牡8=羽月)がフェブラリーSに3度目の出走。
 父がシニスターミニスター(邪悪な大臣)、母の父マキアヴェリアン(権謀術数主義者)で、その名がIncantationすなわち「呪文(じゅもん)」とは穏やかではないが、語源のラテン語incantare(呪文をかける)はin(〜に対して)+cantare(歌う)だ。ならば歌おう、「詩経」の「大雅」にあるこの一節を。「殷鑑(いんかん)遠からず、夏后の世に在り」と。手本はごく身近にあることのたとえ。ほんの3年前のこのレース、インカンが2着だったことを忘れるべからず。