ファタモルガーナ

 地表近くの気温が場所によって異なる時、空気の密度の違いで光線が屈折するため、遠方の物体が近くに見える現象―を「蜃気楼(しんきろう)」という。その現象は、かつて蜃=大蛤(ハマグリ)が吐く気によって空中に楼台が現れると考えられたからだ。
 イタリア語ではその現象をFata Morganaという。fataは「妖精」、Morgana(人名)の語源的な意味は「朝」で、合わせてアーサー王の異父姉である魔女のこと。同じ現象がかたやハマグリの気、かたや「朝の妖精」の名を持つ魔女…で呼ばれるのは興味深い。ともあれファタモルガーナ(セン5=荒川)は女性名。そんな名を持つ騸馬に七夕賞で期待。