白雪姫はダービー制覇の夢を見るか

 白毛馬マシュマロ(牝3=吉田)が京都で2勝目を挙げた。姉ユキチャンに続ける素質馬かも。高島助手が「今はまだ人気先行だけど、いずれ実力で取材してもらえるようになってほしい」と、いっそうの活躍を期待している。さてこの白毛の系統、将来どれぐらい繁栄するだろうか?
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 馬の毛色の大枠は「メンデルの法則」で説明されるが、筆者は遺伝学に明るくないので事実誤認があれば指摘いただくとして、以下さらっと白毛についておさらいしよう。
 マシュマロの母シラユキヒメは、青鹿毛の父サンデーサイレンス鹿毛の母ウェイブウインドから、突然変異の白毛馬として産まれた。シラユキヒメは「優性白毛」で、変異した白毛遺伝子を持つ馬はすべて白毛になる。産駒にその白毛遺伝子が伝わる確率は「メンデルの法則」により50%…のはずだが、今のところ産駒8頭のうち白毛7頭。芦毛の鬼っ子は1頭いるものの、法則を超える力が働いているかのごとき白毛率だ。このあたり白毛繁栄の序奏かも。
 やたら芦毛クロフネが配合されている(8頭中6頭)が、白毛生産のうえでは関係がない。両親とも同馬主(金子真人氏)とか、生産現場での相性の良さのためだろう。初年度ブラックホークとか現1歳の父キングカメハメハのように、芦毛でない馬を父とした場合も、シラユキヒメ産駒の毛色は白毛50%、それ以外50%の確率となるので心配(?)無用だ。
 ともあれ現2歳、現1歳を含めてシラユキヒメは4頭の白毛牝馬を産み、この系統のすべての白毛牝馬は配合相手が何であろうが50%の確率で白毛馬を出す。幸いユキチャンやマシュマロのように競走能力の高い馬がいる。シラユキヒメを始祖として白毛が繁栄する可能性は、白毛種牡馬(これも産駒の白毛率は50%)が誕生して、かつ成功するかどうかが鍵だ。当然の結論で申し訳ない。ちなみにサラブレッドの芦毛も、1頭だか2頭だかの種牡馬が広めたものだという。