シゲル出世レース

 近年、冠名シゲルの馬は馬名に注目する好事家の期待を裏切らない。今年の2歳世代(2008年生まれ)は「冠名シゲル+役職名」。シャチョウ(社長)、ジュウヤク(重役)からヒラシャイン(平社員)、ペイペイ、なぜかマドギワゾク(窓際族)まで。

 03年生まれ世代「株式用語」、04年「世界の言葉でありがとう」、05年「世界の言葉で希望」、06年「日本の山」、07年「武将・姫」…そして08年「役職」。シゲルは各世代ごとにテーマが決まっている。馬主の森中蕃さんにきいた。
 「毎年、たくさん馬がいるのでどの世代かすぐ分かるようにね。どんなシリーズにするかあまり考えてるわけではなく、(馬名を決める)直前にどうしようかな、という感じで」
 どの馬にどの名前をつけるかも「基本的には順番にあてはめるだけ」だそう。だから本部長(シゲルホンブチョウ)より秘書(シゲルヒショ)の方が年俸…じゃないセールの取引価格が高かったりする。なお本部長は460万円、秘書は600万円だ。
 各世代で一番出世した馬を見ても、ありがとう世代ではシゲルタック(ノルウェー語)。日本語アリガトウ、英語サンクスは中央未勝利。希望世代はシゲルハスラット(インドネシア語)。山世代はシゲルカサギヤマ(笠置山)。阿蘇山も富士山も差し置いてだ。武将世代はシゲルモトナリ(毛利元就)。秀吉、家康より元就や本田忠勝(シゲルタダカツ)の方が出世しているのがほほ笑ましい?
 今年の2歳も下克上。社長や専務、相談役、参事がもう出勤(デビュー済み)だが、平社員やペイペイは出勤前(調整中)。シゲルシャチョウ(5、7着)は「社長だけにそこそこ」と鶴留師が言うようにいずれ勝ち上がるのでは。一方、シゲルペイペイの須貝尚師が「なんとか勝たせて出世させたい」とアツく語っている。シゲル出世レースの行方はいかに?