スニッツェル推し

 短距離路線で南半球産馬のレベルが高いのは明白。いよいよ2010年の2歳新馬戦を迎えるにあたって、豪州産の新種牡馬スニッツェルに注目したい。栗東トレセンでは同馬の産駒ウルル(牝2=宮本)がデビュー間近だ。
 今年の高松宮記念は1着が豪州産馬キンシャサノキセキ。2着のビービーガルダンも母はニュージーランド産だ。短距離における南半球産の存在感は大きい。新種牡馬スニッツェルは豪州の快足スプリンター。GⅠはオークレイプレート(芝1100m)の1勝だが、最強スプリンター・テイクオーバーターゲット(2006年スプリンターズS覇者)を破ったもの。どんな馬を出すのか、産駒にも大いに期待したい。
 ウルルは5月半ばに栗東トレセン入厩して調整は順調だ。牝馬ながら現時点で490㎏近い。さすが南半球産らしいパワフルな馬体…ではあるが、今野助手は「確かにスピードはあるタイプ」と前置きして、なお奥があるという。
 「そんなバリバリ短距離だけって感じではないですね。マイルぐらいもいけるかもしれません。まだ能力の高さに体が追いついてないので、もう少し絞れてくるでしょう」
 スプリントはもちろん、マイルでもの手応えあり。スニッツェル自身は豪州で「800mなら最強」とも言われた(らしい)スーパースプリンターだったが、その父リダウツチョイスはマイルもこなしたデインヒル直子。この父系は距離に融通性があるし、早い時期から活躍しても息が長い。先々まで楽しみだ。阪神3週目の芝1200mか、阪神4週目の芝1400mでデビュー予定。
 なお関東にもスニッツェル産駒が入厩している。ニシノハピエン(牝2=伊藤圭、おばニシノフラワー)、ルリニガナ(牝2=伊藤大)、ロジッツェル(牡2=萩原、おじストーミーカフェ)など、いずれも早い時期からスピード全開の雰囲気。函館2歳Sか小倉2歳Sにスニッツェル産駒の出走馬がいる、と予言しておこう。